理念と介護観の不一致はストレスの原因に

介護職が勤務している介護保険事業所には、必ず経営方針というものがあり、それに伴った介護理念を掲げてサービスを提供していることがほとんどだ。
施設の介護理念を自分のものとして理解し、働いている人というのは、そうでない人と比べると、相対的にストレスの程度が軽いことがわかっている。つまり、自分が持っている介護観と自分が勤めている施設の介護理念が一致しているほうが、仕事にやりがいも生まれ、ストレスの原因になる度合いが低くなりやすいということだ。

まずは、自分の介護観と施設の介護理念がどの程度一致しているのかを考えてみよう。そして、確認する過程で、一致させていく作業も必要だ。
逆に、自分の介護観と施設の介護理念の不一致さが大きくなっていくと、ストレスの原因になりやすくなる可能性が生じるということになる。そして、結果的には、その施設を辞めざるを得なくなる場合もあるので注意が必要だ。不一致がストレスの原因であると確実に言えるのであれば、転職することでストレスを軽減できる。

真面目な性格傾向の強い介護職の方は、自分が仕事を辞めることは、ストレスに負けた負け組と評価してしまうかもしれない。だが、仕事を辞めることは、ストレスの対処法の1つだ。適切な判断をしたと評価できることである。
むしろ、我慢してストレスを溜めすぎると、そのストレスから病気になる介護職の方もいるため、身体に影響が出る前に行動することが大切だ。